2011年10月5日 2011年のノーベル化学賞が発表されました!

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あってはならない構造「準結晶」発見にノーベル賞!

10月5日発表!ノーベル化学賞 第三の固体「準結晶」を発見した研究者が単独受賞!

 


「物質の三態」で、気体、液体、固体を習いますよね。

固体は塩や砂糖、金属など原子や分子がきれいに並んでいる「結晶」か、

ガラスや、プラスチックのように並びがバラバラな「アモルファス(非結晶)」の二つと考えられていました。

しかし1982年、これまでに発見されていたどの結晶にも当てはまらない構造を発見したのが、

今回ノーベル化学賞を受賞した、イスラエル工科大学のダニエル・シェヒトマン博士です。

 

これまで、結晶は単位となる格子を並行移動するとぴったり重なるよう(合同)な形でなくては、

空間をすき間なく埋めることができず、結晶として存在しないと考えられてきました。

その結晶構造の基本となる考え方が、「回転対称性」でした。

回転対称性とは、ある空間図形をある軸を中心にn°回転させたときにもとの図形と合同な図形が得られるものです。

n°回転を4回行なって360°となるものを「4回回転対称性」

6回行なって360°となるものを「6回回転対称性」といいます。

結晶学では、単位格子がきれいに並ぶために、「1回、2回、3回、4回および6回の回転対称性しかもたない」ことが常識でした。

しかし1982年、シェヒトマン博士は液状のAl-Mn合金を急冷して作った結晶を調べたところ、2回、3回に加え、

5回回転対称性を持った、言うならば「あってはならない」構造を発見したのです。

1984年に発表した当初は結晶が不安定だったこともあり、研究者仲間からは信じてもらえませんでした。

しかし、議論が交わされた末に、この発見が間違いでないことが認められたのです。

この結晶は、合同な構造が繰り返し並ぶ「周期性」は持たないけれど、回転対称性という「規則性」をもつ

「準周期的な結晶(quasiperiodic crystal)」として、「準結晶(quasicrystal)」と名付けられました。

今では、多くの研究者によって「Al-Cu-Fe」や「Mg-Al-Cu」を使った準結晶が創生され結晶学の一分野となっていますが、

どのようなメカニズムでこのような結晶ができるのかはまだ謎のままです。

準結晶はとても堅いことや、電気、熱を伝えにくいといった特徴があり、これらを利用して

強固で熱を逃がしにくいエンジンや電子部品などへの応用が期待されているそうです。

理屈に合わない現象を、見落とさずに「なぜ?」と疑問を持ち、調べ続けたことが、今回のノーベル賞に繋がったのですね。

身近な不思議は、きっとあなたの周りにも。興味を持って、調べてみてください!

 

ライター:伊地知聡(いじちそう)

一言:発見した瞬間の博士の興奮は研究者冥利に尽きるところですね。

羨ましい限りです。物理にも関わりの深いこの研究の、今後の発展が楽しみですね。

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