教育応援プロジェクトvol.5 未来に続くエネルギー
教育応援プロジェクト制作に寄せて
「「科学は道徳教育にもつながる」ある小学校の校長先生の言葉です。「命を大切に」「町をきれいに」は子どもにとっては説教で終わってしまうこともあります。しかし、生命活動や大気の循環、発電や浄化の技術を知ることで、「なぜ命を大切にしなくてはいけないのか。なぜゴミを捨ててはいけないのか。」を実感を伴って理解することができる、というのです。子どもたちが科学に興味を持つことは、未来の科学技術を発展させる人材を育てるだけではないのだと思います。「教育応援プロジェクト」は、理科好きの子どもたちのためではなく、すべての子どもたちのために、科学に触れるきっかけを提供していきます。
編集長 楠 晴奈
コンテンツ一覧
水素を手に入れろ!
~燃料電池自動車の「燃料」事情~ ~
ハイブリッドカーに電気自動車、そして燃料電池自動車。エコカーブームとも言える時代の中で、エネルギー効率が高く、排ガスが少ない車の開発がしのぎを削っています。その中で、次世代の車として2015年以降の普及策が練られているのが燃料電池自動車です。すでに東京~大阪間を無補給で走りきれる性能が達成されており、水素ステーションなどのインフラ整備が行われて大量生産によって価格が下がれば、一般への普及が進むと考えられています。
花を使って太陽電池の研究をしよう
地球に降り注ぐ太陽のエネルギーは1時間で世界の1年分のエネルギーをまかなえるほど。最近は、従来のシリコン型だけでなく、シリコンと同じような半導体の性質を持つガリウム、インジウム、リンなどを使ったものや、プラスチックの原料にもなるカラフルな有機物を使った「有機薄膜太陽電池」など様々な仕組みを利用したものが開発されています。今回は、沖縄の小学校3 校で行われた、植物などの「色素」を使った新型太陽電池の実験について紹介します。
第4 回 小さな進歩を積み重ねて~実は知らない水力発電~
水のエネルギーは身近で利用し易いため、紀元前から水車を使って製粉や紡織の動力に利用されていました。これを応用したのが水力発電です。水力発電は落差が高く水量が多いほど、大きな電気エネルギーが得られます。水車で思いつくのは、水車小屋の木製水車ですが、この形では利用できる落差や水量に限界があり、実際に発電に使用される水車はずいぶん形が違います。最もポピュラーな水車は、「フランシス水車」と呼ばれ電力館に実物が展示されています。水力発電には、川の水を直接取水して発電に利用する方式と、発電所の上下に調整池(ダム湖など)を設置する揚水式水力発電があります。揚水式水力発電では、電気の使用量が少ない夜間の電気を使って下部調整池から上部調整池に水をくみ上げ、電気の使用量が急増する昼間に、蓄えた水ですばやく発電を行うことができます。実は、この発電方法でよく使用されるフランシス水車は逆回転させることでポンプにもなります。揚水式水力発電は電気エネルギーを水の位置エネルギーに換えて蓄える、蓄電池の役割も担っているのです。
パックテストで研究しよう~水浄化技術の最先端~
「水の惑星」と呼ばれる地球ですが、私達が利用できるのはわずか0.8%。その中で、「きれいな水」はどのくらい存在するのでしょう。2009年都市部を中心に、全国1011団体5683地域で河川のCOD(化学的酸素要求量:水質汚濁の指標の一つ)を「パックテスト」等を用いて測定する『身近な水環境の全国一斉調査』が行われました。その結果、CODが3mg/L以下が28%、水質悪化を示す6mg/L以上が41%でした。まだ水質浄化が必要な場所は多く、次なる技術の開発が期待されています。
リバコミ!第3回 生き物がつなぐ海と森
森の生き物や土壌に含まれている栄養塩、鉄などの微量な金属は、河川を通じて海に流れていきます。海の植物はそれらを取り入れて光合成を行い、成長します。そして多くの生き物の住処や餌になるのです。このように、森は川を通じて海を育んでいます。しかし最近、逆に海の栄養塩が森に運ばれ、森を豊かにしているということがカナダの研究チームにより突き止められました。研究チームは、「安定同位体法」という方法で様々な河川域の樹木について栄養塩の起源を追跡しました。安定同位体とは、同じ元素でありながら重さが異なる元素同士のことで、栄養塩を構成する窒素の中に、安定同位体が存在する割合は、海と陸で異なります。安定同位体法では、重い窒素と軽い窒素の割合を調べることで、その物質がどこから来たものかを追跡することができるのです。
2010 年4 月、リニューアル!!T-BERRY 栃木県内の理工系を元気にしたい!
おもしろいサイエンス&テクノロジーを、栃木から発信します! 栃木県内にはたくさんの工業団地が存在し、大企業の開発・製造の中枢機関や中小規模ながら世界に誇る高い技術を持った企業が数多くあります。身近に存在する理工系のおもしろさを、次代を担う栃木の子どもたちは感じてくれているのでしょうか?社会を支えている最新技術も、大学で行われている最先端研究も、学校で習う「理科」から始まっています。もっともっと、「理科」のおもしろさを伝えたい!そんな思いから、地元のメディア・教育機関・企業を中心に生まれたプロジェクトが「T-BERRY」です。科学技術に興味・関心を持ち、創造性豊かな人材を育てるため、栃木県が持つ知的資源を活用し、地元のメディアから情報を発信していきます。 http://t-berry.channel.yahoo.co.jp/
講談社が理系女子応援プロジェクトRikejo[リケジョ]を始動!
講談社が理系女子を応援するプロジェクト「女の子への理系進路専門の進路相談室『Rikejo』」を、3 月下旬に始動します(予定)。女性誌を多く扱う出版社の強みを生かし、理系のプロフェッショナルな女性の生き方を魅力的に発信します。「Rikejo」には、すでに130 名の社会人や大学生・院生が登録し、先輩理系女子スタッフ「先輩リケジョ」として、理系女子だからわかる悩みや不安などに答えます。普段は知り合えない幅広い職種・年齢の先輩と触れることが、将来への夢と憧れを見つけ出し、行きたい学校を見つけるきっかけになるはずです。
教師がわくわく・のびのびしなければ生徒には伝わらない
手賀沼やボルネオ島での野生動物調査、自然観察学校の講師など、高校教師以外の顔を多く持つ浅間茂先生。先生が長年大事にしてきたことは「自ら考える」こと。そのために、「自分の目や手で体験すること」と「自分の考えを整理して書くこと」を生徒に伝えてきた。今回お話を伺ったのは、高校時代先生の授業に影響を受け、現在筑波大学大学院生命環境科学研究科で分子生物学および発生工学の研究に携わる伊藤亜友美さん。7年ぶりに学校を訪れた。
「本物」への興味で、将来を選ぶ ~最先端に溢れる学校づくり~
物理か生物か。大学受験が視野に入り始めた時期、理系の生徒が対面する、この選択。広尾学園も多くの生徒が物理を選択していた。「受験に不利か有利かという視点で、教員の手で選択肢を減らすことはしたくない。最終的には自らの興味で選択できるよう、生物教員として、生物学の魅力をしっかりと伝えたい。」木村先生は動き出した。
工学離れを食い止めろ!~企業研究者・技術者による取組み~
大学の志願者の占有率に、10数年の間に大きな変化が起こっています。学校基本調査によると、1999年には27%近くを占めていた工学部への志望者数は、2006年には23%程度に落ち込んでいます。具体的な数値で言えば、2005年の工学部への志望者数は33万人と、1990年代の約半分となり、 「工学離れ」という言葉が生まれつつあります。
第2 回 宇宙教育プロジェクト始動!あなたの街から、種、宇宙へ。
2009年、国際宇宙ステーション「きぼう」に保管した種子を使い、全国の中高生で研究を行った「宇宙教育プロジェクト」。2010年は「第2回宇宙教育プロジェクト」が始まります!今回は神奈川・山梨の大豆、北海道のホップ、沖縄のウコン・芝、等を打上げ、地域発のプロジェクトとなります。種子はすでに2009年8月に宇宙へ旅立ち、山崎宇宙飛行士と共に帰還する予定です。これらの種子を用いた教育プログラムに参加する学校を募集します
第4 回 土星を見上げて授業をしよう
シミュレーションで惑星内部に迫る
土星には50個以上の衛星が見つかっており、中でもタイタンは、水星を超える直径約5,150kmの巨大な氷衛星だ。その最大の特徴は濃い大気をもつこと。土星探査機カッシーニにより、大気や地表の探査が進められてきたが、その詳細はまだまだ分からないことが多い。その謎を解くために計算科学(=シミュレーション)が活躍している。
これからの社会で活躍する、「植物医師」
法政大学 生命科学部 植物医科学専修 西尾 健 教授
世界の人口は2050 年には90 億人を突破すると推定され、それに対応するための食料増産は不可欠だ。しかし、毎年8 億人分の食料が作物の病気によって失われていると言われている。これらに対処するため、植物病の診断・治療・予防に関する専門的技能を持った技術者、研究者への需要はこれから増えていくだろう。そんな中、日本で初めて2008 年4 月、「植物医師」の育成機関としてつくられたのが、法政大学生命科学部植物医科学専修だ。
人生を変える仲間と出会おう
いよいよ日本で! ~2010 年第42 回国際化学オリンピック開催!~
2010 年7 月に開催される高校生の化学の祭典、国際化学オリンピック日本大会。初めての日本での開催のため今着々と準備を進めているのは、ノーベル化学賞受賞者の野依良治教授を中心とする化学オリンピック日本委員会のメンバー、日本化学会の錚々たるキャリアを持つ研究者たちです。「この大会を機会に化学の裾野を広げたい」と語る竜田邦明教授もその一人。四大抗生物質の全合成に世界で初めて成功し、海外の大学でも指導を行っている先生は、児童・生徒や保護者を対象にした講演活動なども精力的に行っています。「たくさんの知識を吸収して最後にこれだと思うことでプロになってほしい」。なぜ今、高校生に化学オリンピックを開催するのか。第一線で活躍する研究者の大会にかける思いを伺いました。
21世紀のダーウィンを目指して
~中高生が生物学に親しみ、挑戦できる場を~
2009 年7 月、筑波にて日本で初めて国際生物学オリンピックが開催され、世界中から集まった高校生が生物学の問題に挑み、国際交流を深めた。大会を終え、これからの展望を国際生物学オリンピック日本委員会委員長の毛利秀雄さん(東京大学・名誉教授、基礎生物学研究所・元所長)に伺った。
授業の枠を越えた体験を
~地学オリンピックが子どもに与えるもの~
地学にもオリンピックがあることをご存じだろうか。国際大会は2007 年から開催されており、参加国が年々増えている。代表選考を兼ねた国内大会も、今回は700 人近くがエントリーするなど人気が高まってきた。地学オリンピックの魅力がいまの子どもたちに何をもたらすのか、日本委員会事務局長を務める瀧上豊・関東学園大学教授に聞いた。
研究の種は学校生活から
~君も未来のノーベル賞研究者!? 日本学生科学賞に応募しよう~
「学校内の最適な避難経路は?」「釣りの糸鳴りの研究」「バレー技術が向上するソフト」「ただでは転ばないペットボトルの秘密」。読売新聞社が主催する日本学生科学賞の受賞作品の多くは上記のように生活の中から生まれた素朴な疑問、工夫から生まれています。疑問を見つけたら、後は小さな一歩を踏み出すだけ。課題研究や部活動の一環として挑戦してみよう。
地球の声を伝えよう!沖縄こども環境調査隊
~世界の環境を調査せよ!~
「亜熱帯雨林気候に属する沖縄県には、サンゴ礁、マングローブ、イリオモテヤマネコなど他の地域に見られない自然がある。しかし、近年、地球温暖化や森林の開発によりこれらの固有種を脅かす様々な問題が持ち上がっている。未来を担う沖縄県の子供たちが、ウチナー(沖縄)の環境を守るため、世界に飛び立ち、環境保全への取り組みを調査する。それが沖縄こども環境調査隊だ。
教員向け「エネルギー環境教育研修会研修会」に参加してきました!
2 月13 日、横浜火力発電所で行われた小中学校の教員向けのエネルギー環境教育研修会が行われました。2005 年度より全国小中学校環境教育研究会と東京電力の共催で開催しており、今回のテーマは、新学習指導要領にも概念として入っているESD(持続発展教育)。関心の高さから、当日は悪天候にもかかわらず78 名もの参加がありました。
4地域同時開催! 授業でできる先端科学実験 先生向け無料研修 ~世界の環境を調査せよ!~
「先端科学の情報を知りたい」「新しい実験を授業に取り入れたい」という先生の声から、株式会社リバネスでは先生向け無料研修を定期的に開催しています。今回より地域を拡大し、北海道、東京、大阪、沖縄の4地域で研修会を開催いたします。
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- 2012.01.16 サイエンスブリッジニュース vol.91 【特別号】
- 2011.11.02 今週のサイエンスブリッジNEWS「生物の「波」を予測していた数学」
- 2011.10.07 2011年ノーベル賞特集記念!サイエンスブリッジNEWSを限定公開中!








